些細な言葉

淡々と言葉を紡ぎたい

君の歩くスピードが遅いから

 
君の歩くスピードが遅いから
 
自分の歩くスピードを落とそう
 
ペースひとつで二人の世界はかわるよね
 
会話しながら、ドキドキしてても
 
しっかり君の横顔をみる
 
次の言葉を探しても、
ビクビクして、何も見つからず
 
なんか、寒いね 
 
そう言ったら、
 
眩しい目をして
 
冬の曇天を
 
見上げてうなづくだけの君
 
揺れているダッフルコート
 
ロングヘアーが冬の冷たい風に
切なくなびいてる
 
焼き付く瞬間をいくつも探して
 
この瞬間が永遠だったらいいな
 
飲み込まれるような
 
息が詰まるような
 
不思議で静かに深い気持ち
 
樹木がフェンスになっている
 
誰もいない冬のちいさい公園で
 
静かに、そして、強く抱きしめた
 
君の吐息のスピードが遅いから
 
自分の吐息をなんとか遅くする
 
この惹かれるオモイはどこからくるんだろう
 
ダッフルコートのトッグルが
 
やけに邪魔だよ